DO52Pro 製作記 7: キーキャップを3Dプリンターで自作する。トラックポイントを避ける切り欠きつき
製作の進み具合■■■■■■■□7 / 8
前回の最後に、問いを残しました。「キースイッチと同じく、処分した市販のメカニカルキーボードから、剥ぎ取ったキーキャップ(笑)は、きれいに収まるのか?」
結論から言うと、うまくいきませんでした。そこで、キーキャップを、3D プリンター(Bambu Lab A1 mini)で、自作することにしました。
流用したキーキャップが、合わなかった理由
手元のキーキャップは、処分した市販のメカニカルキーボードから、流用したものです。
基本のキー(数字やアルファベット)は、通常のキーボードと、位置がそれほど変わらないので、問題ありませんでした。ところが、記号キーや Enter など、行が違ったり、幅が違ったりするキーは、ほかのキーで代用したため、キートップの高さや角度が、バラバラになりました。さらに、トラックポイントにも、干渉しました。
自作する: ベースにしたデータ
ブランクで、天面が平らなキーキャップのデータを、探しました。使ったのは、MakerWorld の「3Dプリント キーキャップ」(作者は Gleason さん)です。
ライセンスについて: このデータは、「標準デジタルファイルライセンス」で、自分用に、印刷したり、加工したりするのは、問題ありません。ただし、加工したデータを、共有・配布・販売することは、できません。そのため、この記事では、加工後のデータは、載せません。方法だけを書きます。
加工した2つの点
元のデータにはない2つの特色を、3D データの加工で、追加しました。
| 加工 | 内容 |
|---|---|
| ホームポジションのドット | F と J のキーキャップの天面に、小さなドット(直径約2.4mm、高さ約0.7mm の半球)を付けた |
| トラックポイントを避ける切り欠き | H・J・N・M の4つのキーキャップの角を、トラックポイントの軸を中心にした、円柱の形に、削った |
ブランクのキーキャップなので、キーの文字は、ありません。ホームポジションのドットが、指先の目印になります。
AI と一緒に
データの加工は、AI アシスタントに、手伝ってもらいました。STL(3D のデータ)に、ドットを足したり、円柱で削ったりする、スクリプトを、作ってもらった形です。キースイッチの写真から切り欠きの位置を考えてもらい、実際に印刷して検証、という流れで行こうと思いました。
トラックポイントを避ける: 試行錯誤
いちばん手間がかかったのは、切り欠きの位置です。トラックポイントの赤いキャップは、H・J・N・M の4つのキーの、交点のあたりにあります。キャップと、その動く範囲を、避けるように、4つのキーの角を削ります。
1回目: 写真から、目測
最初は、写真から、軸の位置を、目測で見積もりました。
結果は、うまくいきませんでした。
- J: 隙間が、大きすぎる(削りすぎ)。
- M: 隙間が、足りない。トラックポイントが、取り付けられない。
2回目: 写真から、測り直す
試し印刷の写真を使って、真鍮色の軸の中心を基準に、各キーの位置を、測り直しました。キーの幅(18mm)を、物差しにして、写真の大きさを換算する方法です。
測ってみると、M の切り欠きの円は、実際の軸より、約4mm上にありました。J も、軸より上にありましたが、こちらは削りすぎでした。
| キー | 直しかた |
|---|---|
| M | 切り欠きを、下へ約4mm、左へ約1mm(削る範囲が、大きくなった) |
| J | 切り欠きを、下へ約2.4mm、左へ約1mm(削る範囲が、小さくなった) |
| H・N | そのまま(あとで、少しだけ、小さくした) |
結果
直したデータで、印刷し直すと、M の切り欠きが、ベストなクリアランスになりました。J・H・N も、赤いキャップに当たらず、問題ありません。H と N は、もう少し小さくても、行けそうでした。
印刷
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| プリンター | Bambu Lab A1 mini(ノズル径 0.4mm) |
| ビルドプレート | スムース PEI プレート |
| フィラメント | Bambu Lab PLA Basic(ブラック) |
| 積層ピッチ | 0.12mm(プロファイル「0.12mm Fine @BBL A1M」) |
| 向き | 天面を上 |
| 印刷時間 | 約7時間 |
ブランクで、同じ形のキーキャップなので、プレート1枚に、詰め込めるだけ詰め込んで、まとめて印刷しました。7時間ほど、かかりました。
できあがり
黒いキーキャップが、ずらっと並ぶと、一気に、完成形の雰囲気になりました。
わかったこと
- 流用したキーキャップは、代用したキーの高さや角度が、バラバラになった。 配列に合わせて、自作する価値があった。
- 切り欠きの位置は、何度か調整する必要があった。 でも、手作業で削るより、全然楽だった。
- ブランクのキーキャップは、慣れるまで、迷う。 ホームポジションのドットが、頼りになる。
- データのライセンスは、先に確認する。 自分用なら、加工できても、配布できない場合がある。
別のデータにも
別のキーキャップのデータ(Dottie VeilFit。CC BY-NC-SA 4.0 のライセンス)にも、同じ切り欠きの加工をして、印刷しました。ただ、まずは今のキーキャップの使い心地を確かめてから、入れ替えてみようと思います。写真は、そのときに撮って、載せます。
次の記事
次は、いよいよ最後です。Fold6 に、つないで使います。キーの割り当て(VIA)も、決めます。
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